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第37回日本口蓋裂学会(佐賀市)2013.5.30-31

  • 演者
    上村哲司
    演題名
    タイにおける口唇口蓋裂手術支援

タイにおける口唇口蓋裂手術支援

はじめに:アジアの医療発展途上国におけるボランテイアによる口唇口蓋裂の手術支援は、アジアの医療先進国である日本が取り組むべき海外貢献である。本学会においても、ベトナム、ネパールなどのアジア諸国における手術支援の報告が行われている。しかしながら外科医、麻酔科医からなる日本の医療スタッフチームが発展途上国にて手術支援を行うという形式が一般的で、かつその手術術式も各々が日本で行っている術式に準じて行うという術者依存の方針で、統一された術式でないのがボランテイアによる口唇口蓋裂の手術支援の現状であると考える。今回、タイ国にて過去21年間行われたボランテイアによる口唇口蓋裂の手術支援を報告する。本ミッションは、タイ国内の同一術者(共同演者)による同一術式による手術支援であり、2001年から2008年の8年間の期間に、筆頭演者が計7回参加したので、その手術内容と現状を報告する。

方法:1988年から2008年までの21年間に、タイ国内地方地区および周辺隣国において行われたボランテイア手術支援は、11520例(全身麻酔7430例、局所麻酔4090例)で、その内口唇口蓋裂手術は約60%の6832例であった。口唇裂単独3120例、口蓋裂単独2190例、口唇口蓋裂1522例であった。口唇裂手術は、初回手術および修正術ともに鬼塚法にて行われており、口蓋裂初回手術は粘膜骨膜弁法によるpush back手術であった。

合併症:ボランテイア手術支援11520例のうち、術後1ヶ月経過時点での創感染は230例(2%)2次治癒が138例(1.2%)であった。

結論:月に1−2回の頻度で過去21年間行われており、1回の手術支援での症例数は30-60例であった。同一の術者が中心に、口唇裂の手術術式も鬼塚法という単一の方法で行われてきたところが、長期間ある一定の結果で継続できた因子と考えられる。

Tetsuji Uemura ,MD, Ryosuke Aoyama,MD, Piyoros Preeyanont,MD, Baew Preeyanont DDS